初めて泊った鉛温泉藤三旅館を紹介します。子供には要注意の深い立ち湯と昔ながらの湯治場の雰囲気やシステムをそのまま残した昭和レトロを味わえるユニークな宿で、ありきたりの温泉宿では味わえない体験ができました。
乳頭温泉をテーマに岩手秋田湯めぐり一人旅の際に宿泊しました。立ち寄り湯では数回利用したことがあるのですが宿泊は初めてです。
今回は木曜日夕方東京を出て21時ぎりぎりにチェックインの予定なので、湯治部の朝食付きプランで7,500円。温泉の良さや全般の古さを考えれば妥当と思いますが、以下の記載をみて判断の材料にしてもらえると嬉しいです。
まずはこの宿の情報を諸元表にまとめました。
| 温泉宿諸元表 | ||
|---|---|---|
| 項目 | 内容 | コメント |
| 泉質 | アルカリ性単純温泉(pH8.2) | とろみのある無色透明のお湯 湯量豊富で源泉かけ流し |
| お風呂の種類 | 白猿の湯/桂の湯 白糸の湯/銀の湯 |
白猿の湯の立ち湯が名物 |
| 今回の料金 | 7,500円(湯治部・朝食付き) | 隣の大沢温泉に比べると高いが 充分リーズナブル |
| アクセス | 花巻駅からバス/車で約30分 | 南花巻温泉峡の最奥 新花巻駅/花巻駅から送迎バスもあり |
| 部屋の特記事項 | 6畳和室・テレビ32型 | 湯治部でも南京錠の外鍵あり 浴衣・歯ブラシとう一般的なアメニティあり 設備は全体的にレトロ |
| こんな人におすすめ | 昭和レトロ好き/湯治体験したい人 | 設備の古さが気にならない人向け |
四つのお風呂
鉛温泉藤三旅館は名物の立ち湯「白猿の湯」はじめ四つのお風呂があります。桂の湯意外は男女交代制でスケジュールが館内に掲示があります。なお、お風呂の撮影は自重しています。ご覧になりたい方は宿の公式サイトのリンクを載せておきますので、そちらからご覧ください。
泉質はpH8.2のアルカリ性単純温泉で独特のとろみを有した無色透明のお湯。湯量が豊富ですべての温泉が源泉かけ流しのうえ、シャワーから出てくるお湯も温泉なのだとか。
源泉自噴の立ち湯白猿の湯
この旅館名物の深さ125cmの立ち湯です。この深さは平均でもう少し深いところがあり、子供の溺れる深さなので要注意です。
足元から源泉が湧出していて、全く空気に触れない状態で供給されているということでここのお湯が一番「濃い」状態ということになります。
自噴する位置まで掘り下げたということなのか、低い位置に浴槽があり天井の高い独特の空間で雰囲気も上々。なぜか入口が二つあり、階段が二重らせん構造のように構成されています。
立ち湯というのも落ち着かないものですが、浴槽の端に段差がありここに座って昭和レトロの趣の中のんびりできます。
基本は混浴で隠れるところも何もない内湯なので女性には厳しいか。朝昼晩と女性専用時間がありますのでご安心を。一応下に入口の画像を載せます。わかりにくいですが右側にあります。

内湯と露天風呂桂の湯
上記画像の左側の入り口にある男女別の内湯・露天風呂です。内湯は4人分の洗い場がありシャンプーリンスなどそろっています。
一番のお気に入りはここの露天風呂。豊沢川の流れを眺めながら入浴できます。男湯だけらしいのですがさらに一段下に浴槽があり、より川を近くに感じながら入浴できるので、常連さんのような方は真っ先にそちらに向かうようでした。
新しくて人気白糸の湯/銀の湯
桂の湯とは建物の逆側に二つのお風呂があります。

2024年にリニューアルした設備の新しいお風呂で、夜は男湯なのですが、いつも混雑しているようで一度はスリッパがたくさんあるのをみて出直しました。内湯だけですが、洗い場も5つありサウナもあるのでまずはここに入るのかな?
名前の由来は向かい側に白糸の滝がありそれを見ながら入浴できます。この時は水がなくそれっぽい変色した岩がみられるだけでした。水の多い季節だと思うのですがなぜだろう?
銀の湯は隣の貸切向けのお風呂で白糸の湯を小さくした感じです。ここも男湯になる時間が朝あるので覗いてみましたが、二人で満員の浴槽に一人先客がいたのでやめておきました。白糸の湯に入れば充分ではあります。
建物全般と湯治部の部屋
南花巻温泉峡は豊沢川沿いに数kmごとに一軒宿が散在しています。

鉛温泉はその一番奥で、少し上流の端から移した全景がこちら。

入口はこちらの建屋。凝った意匠の昭和16年木造建築の一番古い建物がお出迎えしてくれます。宿泊も日帰り入力もこちらで受付です。

お風呂の案内はロビーのこちらを見てほしいとのこと。

今回は湯治部に宿泊なのですが、名物白猿の湯のさらに奥の自炊棟になります。お客さんが泊まるのはすべて二階の部屋で、一階の部屋は従業員用の部屋などで使われているようです。

そして今回泊った二十八号室に行くとこの通り南京錠がお出迎え。これはびっくり。大沢温泉の湯治屋がまったく外鍵がかからないのに比べればましなわけですが、なんか斬新な印象。とはいえ、南京錠の開け閉めは面倒です。中に金庫はあるのでそこに貴重品は入れて、入口の鍵は閉めずに過ごしました。
ほかの部屋を見ると同様の形態は半分くらいで普通に戸に鍵のある部屋もあるよう。ここは当たりはずれですね。気になる人は予約時に言えば選べるのかな?

部屋はご覧の通りの普通の六畳間。もちろん全般に古いですがちゃんと掃除されていて問題なしです。ストーブや歯磨きなどのアメニティは一通りそろっています。

逆側の写真がこちら。テレビが32型で案外に大きい。大沢温泉も松川温泉も自炊部のテレビは20型程度なのでちょっとうれしい。ただし地上波だけでBSは入りません。

湯治部の廊下は、いかにも昭和の宿という感じで、いいですねこの雰囲気。両側が客室なので暗いのが気になります。
食事と自炊について
朝食付きプランということで翌朝の朝食がこちら。朝7時くらいに部屋まで持ってきていただけます。

もちろん質素な内容ですが暖かく食べられるベーコンエッグがうれしい。お味噌汁やお米もおいしかったです。食事が終わった後は膳を廊下に出しておけば回収してもらえる仕組みです。

湯治部だけあって自炊の設備も整っています。こちらが炊事場の入り口。食器や炊事道具は一通りそろっていました。

そしてこちらにもあります。10円のガスの自動販売機。コンロは新しいものですね。
いった時間が遅かったので、お湯を沸かすくらいの人しか見かけませんでしたが、使われている形跡はあるので数少ない本当に自炊のできる湯治宿といえるのでは。ただし、売店ではあまり自炊のための売り物はなくすべて持ち込む必要がありそう。昔行ったときはもう少し充実した売店があった覚えがあるのですが…
宿泊体験からのまとめ
鉛温泉いかがでしょう。実際に初めて宿泊してみてわかったことをまとめます。
こんな人におすすめ
今回の湯治部や本館の旅館部は昭和16年築の古い建物なので、壁やふすまのシミなどは気にしない昭和レトロが好きな人におすすめです。特に湯治部は一人でも一泊朝食付きで7,500円とリーズナブルです。逆に虫は絶対にイヤ!とか外鍵がちゃんとかからないのはダメという人には湯治部は向きません。
ユニークな宿
立ち湯の「白猿の湯」が象徴的な温泉を楽しめるユニークな宿と思います。今回一番印象に残ったのは部屋の鍵の南京錠か?あれは衝撃でした。また湯治部の炊事場のガスの自販機などは、ほかではお目にかかれません。旅館部に泊まった方も湯治部を館内探検してぜひ見てほしいです。
宿の姿勢
自炊棟を立て替えての高級志向の旅館部の新設や、お風呂のリニューアルやサウナの設置など攻めの姿勢がうかがえます。古い旅館は経営状態が心配な昨今ですが、こちらは心配なさそう。


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